日本の法律では、内縁関係にある妻・夫については、基本的に相続権は認められていません。したがって、法律的に婚姻関係になり妻・夫が死亡した場合、もう一方の妻・夫は、相続財産を承継することはできません。
しかし、一定の条件の中では、内縁関係であっても相続人と同様に扱われることもあります。
自分が亡くなった後、相続人とはならない人に対して財産を渡したい場合には、遺言書を作成しておくことが効果的です。そうすることで、自宅のの所有者や賃貸の名義人が亡くなった後、内縁関係の妻・夫が出ていかなくても済むようにすることができます。
なお、遺言で財産を渡す方法には、特定遺贈と包括遺贈という方法があります。特定遺贈は財産を特定して「どこどこの不動産、何々銀行の預金を贈与する」と遺言する方法です。包括遺贈は、「相続財産の全部を包括遺贈する」「相続財産の2分の1を相続させる」等と、割合を示して、包括的に遺贈する方法です。
特別縁故者とは、次の者をいいます。
被相続人の相続人が存在せず、相続人捜索の公告を経て、相続人である権利を主張する者がいなかった場合で、家庭裁判所が相当と認めるときは、上記に当てはまる者は「特別縁故者」として、相続財産の全部または一部を引き継ぐことができます。